素敵な呪文

感想文

何かいいものを求めてます。それらの所感を投げ込みたいときに使う場所です。
2008年12月にいったん終了。1年後の12月に、コンセプトを改めて再開してみました(過去記事はそのままです)。よろしくどうぞ。
書店員を経て出版社に勤める漫画スキー(特にBL)。
その他頻出ネタとしてはTM NETWORK、90年代ビーイング、ジャニーズなど。
時事ネタも何かどうしても不特定多数に向かって叫びたいような出来事があれば書いています。


ハツカネズミの時間/冬目景

ハツカネズミの時間(1) (アフタヌーンKC)ハツカネズミの時間(4) <完> (アフタヌーンKC)
 ミステリ要素の強い冬目作品の中では異質だと思います。奇怪な設定、脱走等のスペクタクル、謎多き相関図……確かに気になります。けれど、描いているのは人間同士のやりとりに他なりません。同じ環境で生きてきた人間でも違うものを求めてしまうし、むしろ大切なのは「内と外」ではない誰かを思う心。そんな当たり前のことですが、強く思いました。人は独りで生きてはいけませんから。
 誰の顛末も描かれることない淡々としたラストだという方もいるでしょうが、これで正解じゃないでしょうか。槙も桐子も互いを忘れることはないでしょうし、二人の出逢いを読み返すと、人は変わっていくものだなと感じました。
 あと、とにかく唸ったのは背景を含めた「引き」の構図です。さすが美大出身。素晴らしすぎる。