かわいさ余って何かが百倍/エンゾウ
あっこれ面白いな〜表情も上手いですし。3つの物語で構成されているのですがどれも独特なカラーを持っています。表題作のカップルもツンツンで良かったですが、「不器用なドアキーパー」が素晴らしかった。同級生モノ弱いなぁ……。でもこの、無口な同級生の心をドアに当てはめ結んでいくストーリィがすごく綺麗でした。イチ押しは最後の「ごめんね、でも愛してる」。攻は女装していてもところどころに男らしさが現れていて、オネエとかオカマとは違う筋の通ったBLだなぁと思いました。
初の単行本ということで先が楽しみな方です。
カフェラテ・ラプソディ/川唯東子
さすが川唯さん!! 年齢や外見などあらゆるコンプレックスを障壁に設定しても話が全く暗くならないのが好きです。少女漫画に近いBLですよね。とにかくケイトが愛らしい。後書きにもありますけど全然強面じゃないよ(笑)。経験のない甘々さに戸惑うセリもいいです。
川唯さんといえば強く逞しい女の子も見もの。リリちゃんカッコよすぎます。同業者としては書店ネタも好印象でした。
男の花園/千歳ぴよこ
これはいつもなら絶対に紹介しないただのやおいなのですが、手に取った理由がありました。それはBLに珍しいカラーページ!カラーは春抱などでもありましたが、やおいSEXをカラーでそのまま書籍化したのは例がないんじゃないでしょうか。いろいろな規制がさらに強化されている今、こんなものを堂々と出すリブレ出版には頭が上がりませんよ(笑)。ただここまでモロに描くならさすがに年齢制限あったほうがいいなとは思います……。
物語の感動はありませんが、ある意味BL史で貴重な作品です。