・「秋山くん、愛してます!」思い余って告白する柴を面白がった秋山の取り巻きは、秋山の自宅に柴を連れ、罰ゲームよろしく弄んでいた。が、柴の恥ずかしい姿を見た秋山が何故か欲情してしまい……。
読書メータでの高評価に魅かれたものの値段に多少躊躇があったのですが、読んだらそんなもの吹き飛びました。これはぜひ単独記事で紹介したい!
シバと秋山くんがくっつくきっかけは全くキレイでなく、その後も不穏さが尾を引きます。ストーカ気質で秋山くんに恋するシバは普通に気持ち悪いですし、それにハマっていく秋山くんを見て周囲は「もともと変わってる奴だけど、もう無理」と距離を置きますが、この秋山くんのシバへのハマりっぷりが半端ではなく、物語は一転して二人の蜜月を描きます。いやこれがめちゃくちゃ好き。ひどい変態カップルなのに何故!?(笑)秋山くんが受ってのも意表をつかれました。秋山とのくされ縁・佐野の番外編はかなりぶっとんでいるけれど、それまでの話にちゃんと伏線が描かれているので蛇足には見えません。
形式的な部分も大へん満足でした。L版は画面が大きくていいですねー。絵も上手いです(本編では殆ど出ませんが裏表紙のSD可愛すぎる)。それからあとがきや4コマ等のおまけページでは、作者がこの漫画を心から楽しんで描いているのが伝わり大へん好感が持てます。掲載誌のBaby休刊*1は痛いですが、これならどこかで続き描かせてもらえるんじゃないかな。個人的にはこの判型・装丁で続けてほしいので、出版社にも頑張ってほしいけれど。だから定価で買ったのです。売れてほしい。
今年はもうBLタイトルに一切期待していなかったので嬉しい一冊でした。
*1:知りませんでした。買ったことはないですが良質なアンソロジィのイメージだっただけに残念。