となりの関くん/森繁拓真
・関くんはいつも授業を聞かずに何かしている。ふざけているとしか見えないのに、関くんがマジメに勤しむ“遊び”から何故か目が離せない!
タクマ(山岳部)の漫画ははじめて読みました。話題になるだけあって面白かった。関くんの遊びより、だんだん関くんのペースに乗せられていく横井さんの方が気付けばギャグになっていますしね。避難訓練なんかもう関くんの方が呆れてるじゃないですか笑。ネタ切れが怖いけどもっと読みたいです。
ケッコーなお手前です。/みよしふるまち
・日本の高校に入学したユージーンは日本文化に触れる部活動に憧れ、誘われるままに茶道部へ赴く。だが、武道を理想としていたユージーンは「サドーつまらない」と一蹴。そこに成り行きで居合わせた同級生は、茶道家元のあと継ぎで…。
『東京ラストチカ』がとても良かった作者がアヴァルスで連載始めた、しかも文化部モノと聞いてかなり期待していただけに、ちょっと肩透かし感が否めない漫画でした。人物の心がシフトする瞬間をすっとばしがちというか、気がついたら丸く収まりすぎている気がします。絵も心なしかよくない方向に変わった感じが……。読者層を見据えてガツンとくるキャラクタ…不良とか、とにかく魅力的な人物を投入しないと厳しいなぁ。物語は王道で、好きです。
うみべの女の子/浅野いにお
・些細な激情からはじめてのセックスをした佐藤と磯辺。中学生の二人には早熟な、身体だけの関係を続けるうちに、それぞれの思惑がすれ違っていく。
きつい話ですね……。他者との接触をどんどん断っていく磯辺が狂気じみてて怖い。性のめばえ的な意味ではそれほど特殊な話ではないと思います。描写が露骨だからつい目が行ってしまうけれども。ものすごいヒキで終わる1巻は間違いなく続きを読ませる戦略めいたものを感じました。装丁がいいです。
キュビズム・ラブ/原作:芝村裕吏 漫画;松本テマリ
・「あなたは今、脳だけだ」
交通事故に遭った典子。目を醒ました時には、自分の姿は黒い箱になっていた。脳以外のすべてを失い傷つく典子だったが、献身的な治療を続ける医師・篠田のさりげない優しさに、次第に心惹かれていく。
前代未聞のラブコメ。ヒロインがなんと箱です。あとがきにもありましたが、漫画の利点たる人物の表情を一切描かずに少女の心の機微を表現する…大変難しい物語を、見事にラブストーリィに仕立て上げています。箱なのに典子はちゃんと乙女だし、篠田が少しずつほだされていくのも気持ちよいです。ヲタポンがどういう意図をもって二人に接していくのかが気になりますね。