オリオン像のトリックはすぐに解った。三ッ星館の間取りがいかにもすぎるし。でも森さんとしては「誰でもトリックに気付く」ことを狙っていたそうで。随所で犀川と萌絵の関係にやたら焦点が当たるようになるのが面白い。こういう歩みのトロさはシリーズモノの特権といえる。そしていつものように結末は曖昧。いやそれがこの人のよいところなのだ。事の顛末を無理矢理に解説したりしない。個人的に、天王寺博士が喋るシーンが可笑しくて笑いをこらえるのに必死でヤバい。萌絵がサンドイッチ作ったところもかなり笑える。
笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/07/15
- メディア: 文庫
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