BLマンガの紹介を。
この作品が素晴らしいのは、なんてことない場所が舞台だからだと思う。話を盛り上げるような特殊なイベントや、奇特な設定があるわけでもなく、日常の中で僅かに越えてしまった一線があって、それが純愛になっていて……篠田もいい子だけど、なんと言っても池内がいい。ホントにフツーの高校生で、女性には解らない感覚レベルで男子高校生。それを描ききる作者はすげーなと思います。デートにかけるテンション、元カノとの折り合い、先輩後輩の立ち位置、「ボーイズ本買い込んで研究したんで」ってこれなんか笑いどころになっちゃいますけどめちゃめちゃ高校生らしいですよ。
シンと皆川のCPもいいです。幼馴染モノはやっぱいいですね。性のめばえからお互いを知ってる時点で、どんな輩も乗り越えられない絆を感じます。
DX版には初単行本化の読切が2本あるんですが、紺野さんの活動としては後期にあたる作品なので、絵がすごく好み。「ジプシー on the プラネット」最高でした。吸血鬼はよくあるネタなんだろうけど、こういう書き方を出来るのはこの作家だけだと思います。特に吸血鬼が兄弟という設定に拍手。これがもし兄がいなかったら全く違うものになっていました。感情の起伏が激しい兄を通し、逆に吸血鬼の葛藤というか切なさが際立ってきて、恭二の芳己への思いを感じとれます。この人の絵って別にモロでもないのにとびきりエロスに見えるとこが好きです。