いい漫画だったなー。心温まるBLでした。
絵柄も物語も大筋がコメディで進んでいくのですが、その中にもマイノリティとしてのゲイの立場や、切っても切れない家族関係などシビアなテーマが巧みに織り込まれていて、深みのある漫画でした。
特にいいなと感じたのは、お互い「どうしてこいつなんだろう」と常に思っていながら結局「こいつじゃなきゃダメだ」となるまでの過程を、二人の間で解決するのではなく、元彼女や生徒や祖父母といった他者とのふれあいで描いた点です。
あとは何といっても主役の二人の絶妙なバランスでしょう。夏祭りで健人が見とれるのは浴衣の女性のうなじで、瑛はというと男のふんどし姿(笑)。この漫画の随所にちりばめられたコメディは「面白い」より「可笑しい」が合ってるなぁと感じます。
ちなみにこれは新装版なのですが旧版もお薦めです。『未来の〜』のあとがきには笑いました。