たうみさんのデビュー本です。BL要素が薄いだけに、普通の漫画としても全編すごく良かったので、珍しく1本ずつ感想を書いてみます。
「あかぎくのうた」
一番BLっぽいかな?とはいえセオリィ通りでなく、既にたうみさんの技がキラリと光っています。時代物は漂う空気が特別でいいですよね。文学者だからというのもありますが。
「赤と青」
兄弟モノですがラブはなく、苦手な僕でも楽しめました。この、相手を嫌っているんだか判らない感覚は兄弟らしい気がする。たうみさんの描くバカ男は最後までバカなのでかえって潔さすら覚え、好きです。
「なでしこGALAXY」
ありがちな設定も描き方ひとつで個性。ナナトの女ったらしぶりは芸能人の素顔を見たようですが……(笑)。カバー下にもこのオマケがあり、それはもう爆笑です。この野球漫画は一体!??
一番面白かったのは樹のON顔です。
「隅田川心中」シリーズ
バカでボキャブラリィの少ない大川がこの話の味わいです。そして驚きなのは女性主役!! バッドエンドカタログということでどんな話かと不安でしたが散髪までするので全然バッドじゃなかったです。そして、僅か3話の中であぶれ者から高座に帰る熊田の姿がBLらしくなく(実は受!)清々しい漫画でした。たとえページが少なくてもキレイに落ちているところに落語の素晴らしさを感じます。