またもや両親死亡(笑)。同じ事故の遺族の縁で、とある学校の理事長に引き取られた竜一(当時中3)と虎太郎の兄弟。竜一は学校の保育ルームでベビーシッタを勤めることになりますが、というのが粗筋です。なんだかんだ白泉社は良作揃いですよね。もうこれは子どもたちが可愛すぎる。ちっさいコマでもしっかり表情が描かれていて何気ない場面にぎゅんぎゅんきます。特に動物園に行くとき犀川さんに小さく手を振る虎太郎とかもう……！奇凛が母親と会えない一週間に耐える姿などどうしても姪を重ねてしまい、読んだだけで泣けてしまって…こんな私に誰がした(いい意味で)。
周りの人々も嫌味な奴はおらず、読んでいて本当に気持ち良い。この理事長がまたいいんですよね。秘書(?)の犀川さんの茶目っけも素敵ですし(笑)、狼谷やツンデレ猪又さん、平介(flat)そっくりの兎田、泣き虫の狸塚パパ(イケメン俳優)ら保育ルームを取り巻く人々は兎に角笑わせてくれます。
この漫画で推したいところは、なんといっても子どもへの愛情とか慈悲とか、月並みですがそんな点です。個人的にこういう毒のない漫画を今は読みたいんですね。最初は線の細さが少し苦手でしたが読んでキャラクタを愛してしまえばこちらのもの。子どもの話なのに説教くさくならないのも少女漫画ならではです。
