小田急線で繰り広げられる5つの短編群。明日美子さんはやっぱり面白いですね。読み終えたあとにもう一度最初から読みたくなる本です。
- 浪漫避行にのっとって
→いきなり傑作。兄の暴走っぷりが見てられない。この少女は電車好きってことでいいんでしょうか。
- 彼の住むイリューダ
→外国…?(笑) 一番のお薦め。この駅舎だから生まれるドラマ。後藤君の間抜けた加減はほどよいバランスとなり、素敵な締めですとんと落ちます。正統派短編。
- 立体交差の駅
→百合モノ。まとまりすぎてる感じはするけどかわいい!明日美子さんの漫画にはヒステリックな美人がよく出ますね。「青と白のリーム」は後日談となります。
- 木曜日のサバラン
→恋愛を軸に据えた他作とは異質な一本。男が趣味や楽しみを隠れ家的に封じ込める微妙な心情をあっさり描いていて驚きました。恐るべき多才ぶり。
- 夜を重ねる
→途中でオチが読めたのですが、なんとまぁ酷い男なんだと……。
- ある休日
→描き下ろし。入生田駅の車掌さん視点の総まとめ。
さてこの本はあとがき(これがまたいい)含め『小田急少女漫画』と言ってもよい内容でした。小田急は数回乗っただけで思い入れもありませんがロマンスカーには乗ってみたいです。因みに「浪漫避行〜」「木曜日〜」が主に列車(後者は模型ですが)、他は駅舎を舞台にしております。