素敵な呪文

日々の感想文。気が向いた時に書き散らしてます。80・90年代J-POP、7ORDERの話題は頻出。since 2006.3

日々の感想文。気が向いた時に書き散らしてます。
80・90年代J-POP、7ORDERの話題は頻出。
since 2006.3


時間の歩き方/榎本ナリコ

時間の歩き方 I (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)時間の歩き方(2) (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)
ごく普通の中学生・果子には、扉を開けるとタイムスリップしてしまうという奇妙な慣習があった。思いを寄せる先輩が交通事故に遭い死亡するのを目撃した果子は、時を旅する未来人・遇太の力を借り、先輩を救おうとする。
 当初3話で完結する予定だったとかで、このあたりは完全に『時をかける少女』です。しかし、果子が先輩を助けたことにより、本来あるべき時の流れを変えてしまい、手を貸した遇太ともども時を彷徨うことになります。ここから物語が一気に壮大かつ革命的な超大作に(笑)。時間を生きない謎の青年ツァイトや遇太の生い立ち、タラベル(時間旅行)の仕組みとそれを管理する未来など、難解ながら興味をそそられる仕掛けがちりばめられており、展開次第ではいくらでも続けられそうな気がします。事実2巻では作者が「描きたい話がまだまだある」と述べていますしね。個人的にはタイトルや装丁が素晴らしいと思います。絵も線が太めで『センチメントの季節』などに比べてかなり上手くなった印象でした。線が多くて読みづらいという人もおそらくいるでしょうが僕は好きですね。