デビュー本『出張!!敏腕キューピッド』が良かったのでいろいろ読んでみたのですけれど、この作者かなり好きみたいです。なんだろう空気とか間とか、解説できない要素がドツボなんですもう。台詞選びも文句なし。ほんの些細な短編にもダイヤの原石が埋まっていて、真剣に読むとそれはそれはキラキラしてくれる。萌えとかの子ども騙しじゃなくて、あぁ漫画好きだなとか、BL面白いなとか、根本的な感激をしっかり備えてると思うんです。そんな3作(GUSH以外では出さないのかな…)まとめてドン。
ネコいりませんか?
表紙の印象で「ネコ耳とかいらねーよ」などと斜に構えていたら全く違いました。愛した人と生きるため、人間と同じ寿命を持つ“長生きにゃんこ”になる猫がこの話の主役です。設定が素晴らしい。ほどよくファンタジックでギャグも冴えていて、何より説得力のある展開。ライトなBLでこんなに実の詰まった本は貴重じゃないでしょうか。他の短編もいいです。