素敵な呪文

日々の感想文。気が向いた時に書き散らしてます。80・90年代J-POP、7ORDERの話題は頻出。since 2006.3

日々の感想文。気が向いた時に書き散らしてます。
80・90年代J-POP、7ORDERの話題は頻出。
since 2006.3


あんたにだけは言われたくない

 いかにも若者の行動に目くじら立ててそうなじじいが電車の座席に足を広げて座りポケモンGOとかやってるのを目にすると、目障りな人物をVR的な技術で視界から消せる眼鏡とか出ないかなとか考える。


 先週また父が帰国して、とりあえず自分も昨夜自宅に戻りました。日中殆ど自分が家にいないので、まぁもし父が同じ飛行機での感染者の濃厚接触となったとしても、その濃厚接触にならないような配慮は実現できると思っていて。当然マスク&手袋着用、室内消毒&換気、同じ空間で飯を食わない、会話は2メートル以上離れた時だけする、他の事は全て別室で行う等。年初のコロナ生活で身につけた事ばかりなので、やる羽目になってもストレスを感じてません。今日は仕事もそこそこに早めに一時帰宅して、ホテル暮し時のものも含めた洗濯と風呂の張り替えを済ませ再び外出。最近は自宅で仕事もしてたけど居間を占領されてるので暫くは厳しそう。


 千里最後のヒット作。十年愛の直後でお茶の間やソニーマガジンズにはバンバン露出が続いていましたが、もうこの時はセールス面で落ち目なのが明らかだった。売上よりさらに痛かったのが声。彼の持ち味だったはずの高音が出なくなります。翌年Mステで久々に見た千里が格好悪いふられ方を全く歌えてない姿は大衝撃で、喉の病気かと思いましたもん。
 とはいえまだまだヒットの余波がある頃なので楽曲には90年代前半ならではの勢いが存分にあり、ポップシンガー大江千里の名に恥じぬキャッチーで素敵な楽曲ばかりの良作です。CDで聴く分には声の劣化も目立たず、何よりこのタイトル当時とても印象的で、野球や阪神に興味のない子どもの自分でも「六甲おろし」が風を意味することを知ったのでした。
 昔の千里を思わせるスローマイナーな「僕じゃない」、岡村ちゃん「だいすき」のオマージュかと思う「スーパーマンにはなれない」、映画主題歌となったスケールの大きいバラード「砂の城」など序盤から先行シングルを凌駕するナンバーで畳みかけると、中盤も「木枯らしのモノクローム」「報告」など耳馴染みの良いポップスを随所で聴かせてくれます。いやこれほどの曲が量産できているのに何故「HONEST」「ありがとう」がシングルになってしまったんだろう。地味すぎる笑。先行シングルカットがうまくいって、千里の声がもう少し張れていればここで失速はしてないと思うんだよなー。惜しい。

 翌年横浜スタジアムでの納涼千里天国に合わせてリリースされたシングル「軍配はどっちにあがる / 同級生」はどちらもアルバム未収録なのが勿体無い良曲*1だし、さらに次年のアルバム『Giant Steps』はジャズピアニストの現在を予見するような試みが詰まった渋い1枚だし、千里のソングライティングや清水信之のアレンジメントが好きな人はさらに数年分楽しめると思います。僕は今のジャズアルバムも好きですよ。

*1:実は初めて買った千里のCD。