講談社で連載中の錚々たる漫画家が集ったチャリティ同人誌、確かにすごい。どのくらい売れるんでしょうか……。僕はある思いがあってこの度の募金などは一切しておりませんが、唯一気になるのは六花チヨが『IS』の後日談を描いたとのこと。えーこれは読みたい!! 文庫化したら収録してくれないかなぁ。
東京ラストチカ/みよしふるまち
すばらしい……！なんて切ない話。
題名と背表紙に惹かれて正真正銘の衝動買いでしたが、この賭けは大勝利しました。偶々日高ショーコの『憂鬱な朝』を読んでから明治の身分制度を調べたりしていたので、すぐに入り込めました。
物語に目新しさはありません。身分違いの恋、世相を反映した苦境、主人公のカップルを取り巻くキャラクタにしても、おそらく漫画界では書き尽くされているでしょう。ただこの漫画が突出しているのは、漫画としての機能だと感じました。見開き、見せゴマ、台詞選びが素敵すぎる。はっきりした線で柔らかく描かれた街や人々。絵柄はやや稚拙さがあるものの、物語の空気と時代設定がそれを凌駕していて、文句なしに楽しめました。
鬱陶しさなどかけらもないおまけページや、内容を見事に伝えてくれる温もりある装丁、すべてが携帯端末の液晶などでは決して表現しきれない「漫画の単行本」です。これはぜひ手にとって紙をめくって読んでほしい！
