ということで、よなかのとり様が企画なさったナツ100に参加させて頂きました。
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前書きとしていくつか。今回選出したのは90冊です。最初は120くらいあったのですが…。
ひとつには、「縛りがない」とはいえ、やはり企画で推薦するのを躊躇した漫画もありました。たとえばここでよく紹介するBL漫画ですが、僕はBLについて「多くの人に読んでほしい」という考えを持っていません。なので、漫画としての出来が素晴らしく、BLに特異性を感じる方でも感動できるだろう作品を数本選びました。
また、現在連載中のものは極力避けたつもりです。誰もが挙げる著名な作品も、僕がお薦めしなくても誰かがやってくれますのでカットしました(スラダン、幽白、コナンなど)。
さらに、折角だからと僕の家族にも推薦して頂きました。自分で好きな漫画を紹介する記事を書くことならいつでもできますが、こういう企画でもないとこんなやりとりできませんしね。
それでは紹介していきましょう。コメントは稚拙で申し訳ないですが、少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。
☆著者名降順
青春攻略本/あきづき空太
OL進化論/秋月りす
サルヤマっ!/彬聖子
相沢とまちゃるの身分差(?)ラブにはきゅんきゅんしますし、アツをはじめとした同級生たちの賑やかさがこれまた青春です。一応、ちゃんとオトナになるところが小学館らしいといえばらしいかな……。
WILD HALF/浅美裕子
賢い犬リリエンタール/葦原大介
とにかくリリエンタールというキャラクタが最高です。続きを求める声が多いようですが、個人的にはこれで十分と思います。
× -ペケ-/新井理恵
はしたなくて ごめん/石田拓実
コングルGood/きむらひろき
この漫画だけは完全主観で全力でお薦めしたいです。今まで読んだ漫画で好きな主人公を挙げるなら、絶対にカカオにします。2巻の中盤から少しずつ変化し、3巻で一気に友情・バトルな少年漫画になります。かろうじて児童向けの空気を生み出していた万方も最終話ではカカオの前に強敵として立ちはだかり、他の幼稚な児童作品と比べて異質なものを感じました。手放したくないですね。昨年ついに上下巻で復刊を果たした児童漫画の傑作。
みかこさん/今日マチ子
ニコイチ/金田一蓮十郎
未来の記憶 風の行方/国枝彩香
昭和元禄落語心中/雲田はるこ
雲田はるこは既刊4冊すべて選びたいほど好きですが、まぁまずは最新作ということで……。落語に造詣が深い人も、そうでない人も、きっと楽しめる。昭和に寄った絵柄も実に好印象です。売れてほしい。
ケッコー ケンコウ家族/栗原まもる
もっとたくさんの人に読んでいただきたい漫画。実践できそうな健康法も興味深いですが、何といっても3巻以降みっちゃんと束木君のラブは必見です。Kissは絵が雑な作家が多いですが、この漫画の太めで整った線は画面的にも好きです。
死刑囚042/小手川ゆあ
これは10作選ぶ企画であっても絶対入れます。どうしてこの漫画を誰も選ばないのか不思議ですね。たった独りの死刑囚のために皆が喜び涙し、042号(田嶋)も、周囲の人びとも、いろいろな感情を取り戻していく人情劇です。中盤少し冗長気味でしたが、最終回は美事。最後の2ページはただただ涙でした。重いテーマや細い絵柄が苦手な人にも是非手にしていただきたい。
1・2の三四郎/小林まこと
父が選出しました。今の若者が読んでも面白いから、ということでしたがそれは同感です。一作で複数のスポーツを扱うという漫画は後にも先にもこれくらいでしょうし、今やっても三四郎のマネでしかないですもんね。柔道が試合描写や物語において最も優れていると思います。
君の名はスター☆/紺野けい子
スマッシュ!/咲香里
真のメインは阿南と美羽のじれったい愛(書きたかっただけ)。熱いバトルにしっかりラブを混ぜています。『ベイビーステップ』と迷ったのですが沢山の方が選ばれるでしょうからこちらにしました。
新世紀エヴァンゲリオン/貞本義行
未だにアニメは流し見程度で終わっているのですが、圧倒的に漫画の方が面白いです。「四人目の適格者」以降の物語は圧巻。カヲルが多く登場するのもいいですね。カラーの口絵もため息が出るほど美しい。
卒業M/原作:有栖川ケイ 漫画:杉崎ゆきる
その後の好みを決定づけた大きな漫画。話はどれも思春期の友情・絆を真面目に描いていますが、それがおしつけがましくないのが好きです。エンタテインメント性が最も高いのは3巻でしょうか。
もえタイ/杉基イクラ
いやいややっていたはずが、その魅力に取りつかれていくというスポ根の王道でもあるのですが、デブが主役という設定をしっかり使ったスパーがすごく良かったので。個人的には妹の話は蛇足な感じもしましたが。
らんま1/2/高橋留美子
義兄の選出です。僕はアニメメインだったのですが、好きでしたね。バトルものは苦手なのですが、ところどころに挟まるラブゲーム(?)にもハラハラさせられます。
EVIL HEART/武富智
御託はなしです。とにかく読んでほしい。何度も何度も色んなことにつまづいては確かに成長していく梅の姿はそれだけで輝いています。
我が名は海師/原作:小森陽一 漫画:武村勇治
サルベージュものではナンバ1。海自を追われたサルヴァーが相棒だったり、軟弱なボンボンがライバル会社を牛耳っていたり、主人公をめぐる三角関係があったりと、漫画らしい要素を詰め込んで、海の迫力を描ききっています。
アイツの大本命/田中鈴木
これもBLなのですが、BLが「女子向けのエロ漫画」ではないことを証明する良作。少なくとも一般誌で明らかにBL層をターゲットにしている趣味の悪い漫画(不特定)より遙かに面白いです。古きよき少年漫画の趣もあります。
イエスタデイをうたって/冬目景
冬目さんの代表作はこれでしょうね。大人と子どもの境目のラブストーリィです。毎巻新キャラが出るのもすごい。ただ早く決着つけてよ!!
ももんち/冬目景
学園ベビーシッターズ/時計野はり
ガキンチョがかわいいのはもちろんです。しかし竜一や狼谷、猪又さん、犬井ら学生も負けず劣らず。説教くさくならない物語もいい。
ビーナスは片想い/なかじ有紀
花ざかりの君たちへ/中条比紗也
これも姉。今や知名度だけが先走っていくような漫画ですが。当時、佐野は佐野瑞樹(ジャニーズJr.)をモデルにしていると作者のコメントで読んで、佐野ちゃんに佐野泉を演じるのは絶対に無理だと思いました(笑)。あの頃やるなら原でしょうね。って対象限定コメントになっちゃったよ。
卒業生/中村明日美子
パフェちっく!/ななじ眺
少女漫画では一番心に残った作品です。後半の壱、カッコいいなぁ。学校行事に沿って一年半ほどの時間をゆっくりじっくり描きます。修学旅行の夜の場面は思わず泣いてしまいました。
ひらひらひゅ〜ん/西炯子
最初部内のキャラクタひとりひとりを取り上げたオムニバスにして、中盤は彼らが弓道に打ち込む力量ある漫画だったのに、最後に思いっきりBLになってしまったのはすごく残念でした。ただ物語はよく出来ていますし、絵柄をクリアすればかなり楽しいです。
Harlem Beat/西山優里子
SLAM DUNKやDEAR BOYSが人気を集める中で、バスケ漫画史にしっかりきらめいた名作。ストリートに焦点をあてた漫画は当時あまりありませんでした。好みは分かれるでしょうが僕はストリート編でハマったので思い入れは深いです。それが公式とうまく絡んでくるJ編(24〜26巻)のダーティでスリリングな展開は他のバスケ漫画には見られないでしょう。全編通じたテーマでもある「ヒーロー」を一番描き切れている章もこれじゃないでしょうか。
QBかりん/西山優里子
特別いい漫画ではないのですが、折角おすすめ漫画を選べる企画なので入れました。『Harlem Beat』を好きになったら是非読んでみて下さい。
ヴァージンハウス/花津ハナヨ
これは2巻だけでもOKです。最後7話がそれまでの垢抜けない話と比較にならないほどいい。26才処女のユキが一念発起して夢だった写真の世界に飛び込んで、出会った年下カメラマン櫻井といい感じになるのですが…あとは探してみてください!
ひまわりっ 〜健一レジェンド〜/東村アキコ
東村は他の漫画も評判がいいので読みましたがすべてこの二番煎じにしか感じませんでした。猿渡主任を超えるテンション、健一2号を超える天然のキャラはちょっと他にいませんでしたし、彼女の漫画でどれを読もうか迷っている方はまずこれにしてください。
ドクシ -読師-/樋口大輔
あひるの空/日向武史
ハーレムとは全く逆の、現代的なバスケ漫画。才能のある人はどこにでもいるけれど、誰しもに条件・環境が整っているわけではありません。それらを言い訳にせず戦っているから、応援したくなるのかな。不遜気味なキャラが僕は好きです(行太、ニノなど)。
ハロー張りネズミ/弘兼憲史
母の選出です。これは面白いですよ!こういう探偵モノってあまり例がないと思います。弘兼さんの漫画は明らかに30代以上をターゲットにした人間ドラマばかりの印象ですが、これは誰でも読めるはず。コンビニコミックもかなり出ているようです。
私立樋渡高校COMICS/広瀬けいた
パロディ好きな方は是非。今もパロディは絶望先生などが頑張っていますが、この漫画ほどスレスレを行くものには未だ出会えていません。
青空の卵/原作:坂木司 漫画:藤たまき
藤たまきさんも本当は複数選びたかったのですが、「BLだから」と今回は見送りました。原作つきではありますがこれはすごくいいコミカライズです。よくこんなに原作にピッタリな漫画化ができたものだと感心しました。鳥井と坂木の不思議な友情が適度な距離感で描かれています。そして季節感をたきしめたモノローグや風景が素敵。
イカロスの山/塀内夏子
今回、どの作品を選ぶかで最も悩んだのが塀内夏子です。短命からロングランまでどれも面白い。まずこちらは、他の塀内作品と一線を画するオトナの漫画。過去と現在が交錯するスリリングな人間ドラマです。
大東京ビンボー生活マニュアル/前川つかさ
ソラソラ/槙ようこ
姉選出。「『愛してるぜベイベ★★』より前から槙ようこが好き。こういう普通になんとなく過ぎていく恋愛モノが好き」だそうです。企画に際して僕も購入して読みましたがかなりいいです。少女漫画はこうであってほしいというような青い青い漫画。
恋のまんなか/松本ミーコハウス
最終回が素晴らしい。BL漫画は昨年から沢山読みましたが、今のところ最終回のインパクトでこれを超えるものがないです。
俎上の鯉は二度跳ねる/水城せとな
GAME OVER/水谷フーカ
読み終わった後すぐにもう一度読みたくなる話でした。同時収録の短編もなかなかで、あまり挙がりませんが「けだまのケーキ」が特に好きです。
バラ餓鬼/壬生ロビン
壬生ロビンはいい作家なのに全然注目されないなぁ。本編も実力がいかんなく発揮されている力作なのですが、「仇討ち」や「リィナと五平」といった初期の短編が各巻に収録されていて、これが実にいい。最近『アンダードッグ』などもありましたがこの人にはやっぱり時代劇を描いてほしい。
硬派銀次郎/本宮ひろ志
父の選出。本宮と弘兼さんは両親の影響で幼いころから読んでいますので1本ずつ入れたかったです。別の人が当時描きそうな漫画を本宮が描いた、という点でも銀次郎は無二じゃないかなぁ。
キララの星/森永あい
アイスエイジ/もんでんあきこ
ギミック!/原作:金成陽三郎 漫画:薮口黒子
オリジナリティあるいいマンガなのにどうして誰も挙げないんでしょう。最初は地味に見えてしまう登場人物がみな個性的に描かれていくし、中盤で展開される公平の過去、SFX選手権など、最後まで飽きさせない構成は、さすが金田一を創っただけあります。
軒猿/薮口黒子
ギミックが面白かったので期待していたら、それをどんどん上回るスピード感と物語に、この人は本物だと感じました。どこでもいいので続きを描いて下さい。にっくき休刊!
水の色 銀の月/吉田基已
年齢がバラバラな若者の、どこへも行けない微妙な感情を繊細に取り上げ、馴染みやすいタッチで見せます。初期の絵のクドさも、月海メインの新章になるとライトになります。現在一部キャストの過去編『夏の前日』が連載中ですが、個人的にはこの頃みたいな小編をもっと描いてもらいたいです。
きのう何食べた?/よしながふみ
『1限目はやる気の民法』もよかったのですが、あちらはレーベルがBLのため、こちらにしました。それ以上にこの漫画は料理のシーンが本当に丁寧ですね。これまで読んだどの料理モノも敵いません。この影響で弁当を作るようになりました。
ニューヨーク・ニューヨーク/羅川真里茂
羅川さんもやはり迷いました。敢えてこれを選んだのは、この漫画が現在確立したジャンルとしてのBLとは全く違うところにあることを知ってほしいからです。僕は文庫版で読みました。2巻の手に汗握る急展開はさながらハリウッド映画のようです。
IS 〜男でも女でもない性〜/六花チヨ
一番泣いた漫画かもしれません。人の素直さも醜さも温かく描いているのはすごいです(汚いものを汚く描くのは簡単です)。ドラマ化もしましたが(勿論見ていません)大事なことは全て漫画で伝えきれていますので、是非。文庫化したら集めるつもりです。