これは休日に一気読みしたかったので3冊揃えて積読していました。おそらくレビューがなければ一生読まなかったと思います。この時代に生まれてよかった!
カンナとセラ、複雑な生い立ちの二人はスケートを通じた運命的な出逢いから色々あって付き合うことになる……んですが、二人の関係を知ってしまう人達が決してありがちな「お幸せに」的態度にならず、ひとりひとり受け止め方が違っている点は、今まで読んだBL漫画とひと味違いました。
さらに男とSEXする自分をやましく感じるカンナがセラとどんどんすれ違っていく様は本当に辛い。最初は高校生の微笑ましい初恋物語だったのに、こんなに胸が痛い展開になるとは思わなかった……。むしろとっつきにくかった絵柄がそれを和らげてくれました。
セオリー通りに読むとカンナが嫌な奴に見えますが、大人と子どもの狭間にいる人間をしっかり描くとこうなるのだと思います。だから周囲から誤解や妨害をされても、カンナに愛されている実感がなくても、一途に純粋に思い続けたセラは本当に健気でした(切)。
題材となるフィギュアスケートですが、演技に思春期のメンタルを反映したり、心情描写がメインになる話運び(台詞・モノローグかなり多い)の中に躍動感を持たせて画面的にも飽きることなく読ませたりと、この漫画にもってこいの素材だと感じました。
珍しく長くなりましたが、是非手に取って頂きたい漫画です。劇的な最終回まで一気読みでどうぞ!!