たとえば「あぁもっと読みたかった」という気持ちでいっぱいになれる漫画を読みたいと思います。以下紹介の3作も例に漏れぬ面白さでした!
評判通りとてもよかったです。年の差を全く気にせず最初の会話から朱美をあんた呼ばわりする翔太の男らしさがカッコいい。朱美は朱美で自分の美貌を疑わなかった自信過剰ぶりがどこへやらな超純情乙女になりましたし(笑)。設定で持っていく話なのでリアリティなんていりません。が、合間にあった奢る奢らないの話はこの二人をぐっとリアルに寄せてくれました。
他の短編も、表題作とは少し違って台詞も多くコミカルでしたが、絵が読みやすいしかわいいしで、一捻りしたネタも実力を感じます。
この本は装丁も素晴らしいです。箔をあしらい、カバー下もカラー書き下ろし、温もりあるカバーの材質。紙の漫画を作る人々(著者含め)の真心も感じ取れる一級品でした。
キララの星を買うときに気になりつつもスルーしてしまったのですが、今日バイト上がりに何か買いたくて咄嗟に手にしました。
いやぁ、青春!! 篠崎の普通さが全く地味に見えないのがすごいです。それほどに「園芸に惹かれていく普通の男子高校生」を描ききっている。ダンボールマンよろしくの庄司の存在で、何故こんなピュアな青春群像を森永さんが手がけたのか理解できました(笑)。大和田の人とナリについても、恥ずかしながら僕は近しい体験をしていましたので共鳴してしまいました。
オリジナルで話を広げて5冊分くらいで読みたい物語ですね。
ACONY (3)/冬目景
完結巻だけれど終わりに非ず、という感じなのが嬉しいですが、ひとまずモトミがアパートを出る形でピリオド。これ好きだったな。冬目景がここまで分かり易くコメディを描くことは、羊のうたの頃なら絶対に有り得なかったでしょう。妖怪(?)の面々はいいヤツばかりだし、適度にちりばめられた謎もすとんと落ちるべきところに落ちてくれています。
超常現象の説明とか一切ないのが最高ですね。「なにせしきみ野アパートだから」ですもん。またいつか描いてほしい作品です。