素敵な呪文

日々の感想文。気づけば3月で16周年。90年代のJ-POPと7ORDERは多く取り上げます。

何かいいものを求めてます。それらの所感を投げ込みたいときに使う場所です。
2008年12月にいったん終了。1年後の12月に、コンセプトを改めて再開してみました(過去記事はそのままです)。よろしくどうぞ。
書店員を経て出版社に勤める漫画スキー(BL多め)。
その他頻出ネタとしてはTM NETWORK、90年代の邦楽、7ORDERなど。
時事ネタも何かどうしても不特定多数に向かって叫びたいような出来事があれば書いています。


闇が深まり暁近く

 座間の9人殺し、いろいろと信じきれない事件ですねぇ……。「ひと月3人ずつか」「(最初に判明した被害女性を除く)他の8人は誰にも探されてねぇのかな」等と予想もしないコメントを吐きまくる会社の重鎮(70代)にはもっと吃驚しました。


 さて、Free!の3期も決定したというのにめちゃめちゃ時代錯誤な作品を紹介します。最近また読んでしまって……。

卒業M / 杉崎ゆきる

 ΛuciferとSTYLE FIVEと、忘れちゃいけない5人衆がMです*1。小6の頃に出逢いました。当時はまだ漫画に詳しくなく、予備知識ゼロのこれぞ衝動買い。運命でしたね。すぐにノベルスも集めました。小説なんてろくに読んだこともないのにそこまでハマったってことは、あの頃から好きだったんでしょうホモ行為が(笑)。いや、それも含めてなんか普通っぽくない友情ドラマが、僕の平凡な学校生活と全く違い、一種の憧憬だったのかもしれません。
 もとは今でいう女子向ゲームの企画です。漫画版を一言で表せば、全寮制男子校(BLではない)誠龍高校を舞台に、同じクラスの問題児5人衆が繰り広げる青春モノ。

 学校1のチャラ男(今風に解説したいので敢えてこの肩書きで)透吾と秀才中本のコンビが実は好きです。寮の同室ってのがまず良い。特別仲良くもないのにお互いすごく刺激し合っているというか、一番対等なコンビの気がするんですよね。
 転入生の紫門は、父親の顔を知らず、英国人の母は亡くなり、バンドにホストにモデルにと年齢詐称を疑うほど分厚い人生を歩んでいます。透吾の女性関係は若い青い感じがするんですが、紫門のそれはなんていうかジゴロっぽいんですよね。はっきり言うと嫌味な奴です(笑)。
 ショタとBLを一手に引き受けるのが未希麿。1話から教師に迫られ、徐々に透吾に恋慕を抱き、小説版では親友(根本)に告られます。まぁ昔の学園BLって受が全部可愛い系ですからね……。
 勇祐はMの中で最も普通の男子高校生。大飯食らいの自然児(視力4.5)で、バスケ部部長を務め、透吾ともクラス唯一と言えるほどの真っ当な友情を築いています。常に彼女募集中ーなんて賑やかし風だった彼にも、最終巻では過去の思い人カンナが現れて一気に主役感全開。小説では幽霊に告白されてましたけど(笑)。Mのキャラでは一番好きな野郎です。

 1~3巻はそれぞれの見せ場とも言える物語を2つずつ収録、4巻が短編集、5巻は最も少女漫画らしい丸々1冊のラブストーリー。
 特に好きなのはマジカルサマーデイズ(3巻)。ひょんなことから出会った少年レイヤと透吾の前世を探るちょっと不思議な話。他の作品と明らかに毛色が違うのですが、それもMが揃うと普通に面白い。この辺はもう未希麿→透吾が明ら様過ぎるなぁ。あと、ネガな一面ばかりが際立っていた中本がやたらと自信たっぷりで、高城がたじろいでるのもレアでいいですね。

 杉崎ゆきるは卒Mの人気に絶大な貢献をしたと思うのですが、残念ながらもう描くことはないでしょう。杉崎についてももう少し語れるのでまたの機会に……。



【追記】2021.2

 D・N・ANGELが遂に完結したことで杉崎版卒業Mにも再び注目が集まっているのか、最近この記事の閲覧数多いです。
 よく調べるなぁ皆、と思ったら、

 いやいやいやいや!!!Wikipediaの次って!全然マトモな情報書いてないのに!!何のブログか知らずに覗いた人はさぞがっかりしてるだろうな……。

 一応改めて言わなくても記事読めば判るのですが、卒Mは杉崎版しか知りません。後発の作品は全て絵が苦手でスルーしてしまいました。作品そのものがお好きな人にはブーイング対象記事になります。

  折角情報を集めてる人のためにもう少し触れておきますね。特に、卒Mを知らない世代の人が最も気になるのは多分BL展開だと思うので(?)。
 杉崎卒MはCIELにも読切として出張しており、「僕らは無敵に恋をする。」「ナチュラル・アワー」「永遠の未知数」が4巻に収録されてます。特に「僕らは無敵~」は未希麿が透吾への恋心を自覚するような話ですが、必見はやはり川添さんでしょう。女子に手が早い透吾にオトコを覚えさせた先輩……ヤバい香りしかしない。かなりのカリスマみたいなので、ただのヤンチャ少年だった透吾に相当な影響を与えたことは想像できます。が、ホント何にも描かれてないですからシーン的な期待はせず!


 こういう話が載るあたり、明らかに腐女子受け(当時そんな言葉無いが)を視野に入れてるのは勿論ですが、やはり杉崎版の面白さは友情の物語なんですよ。中でもやっぱり透吾と勇祐かな。作中の関係が唯一“親友”と呼べるのこの二人だと思うし。「BURNING GENERATION」(1巻)や5巻全編はお薦めです。紫門が昔のバンド仲間と気まずい再会をする「すれ違いラビリンス」(3巻)も大好きな話。紫門の名誉のために自然と会議してる4人が微笑ましい。8cmシングル!ロゴチケット!*2

 ↑ノベルスの5巻、根本を諦めさせるために透吾がひと芝居打って未希麿にキスかますんですが(表紙に一節載ってるので参照のこと)、その後未希麿がめちゃくちゃキレてたのすっごく不自然だったんだよなー。親友の前だったからと考えても多少は嬉しいはずだろ(笑)。20年経ってもずっとモヤモヤしてます。

*1:声優E.M.Uの歌は全く知りませんので、あくまで漫画の5人ってことで…ファンの人すいません

*2:楽器をもう少し丁寧に描いてほしかった。