らくたさん最新刊。連載中のチラ見せは目を通しつつも事前知識なるべく避けてたので、どういう理由で青年が猫のふりをしてるのかよく解っておらず、らくたさんっぽいコミカルな作風かと思ってたんです。それがもう序盤の舞台設定や登場人物の台詞、話数を重ねる毎に色濃くなる展開、やりきれなさと清々しさが錯綜するような結末。すべてが驚きの連続だった。よくよく思い出すとらくたさんは昔からちょっとダークな視点をお持ちの方だったなと『何がなんでも殺したい』とか。それでいて、タマがビルを飛び越える時に札束が散らばる場面とかファンタジックに見せる描写も漫画っぽくてまた良い。懐の広さにまた敬服でした。
これはBLというより人間愛を描いた作品です。人を選ぶ物語かもしれないけど多くの人に知ってほしい。人が人を愛することはやっぱり創作の永遠のテーマだなと思いますね。もういいってくらい人類に作られ続けてるのにこういう作品がまだ出てくるんだから。猫飼ってたらもっと楽しめるんだろうなーそれが惜しい笑。
